こんにちは、よっさんです。
前回の受検日記4では第1回家族ミーティングのお話をしました。
初めて娘に都立中高一貫校受検の話を伝え、挑戦する場合のメリット・デメリットを家族で考えました。
ただ、私の中で都立中高一貫校受検が娘にとって本当に良いことなのかという不安も出てきました。
もしかすると、高校受験に集中する方が良いかもしれません。
そんな思いに対してヒントを与えてくれる書籍を見つけました。
それは
「中学受験」をするか迷ったら最初に知って欲しいこと
です。
この書籍では「戦略的高校受験」というものが推奨されています。
戦略的高校受験とは何でしょうか?
簡単に言うと
というものです。
中学受験のメリットばかりに魅力を感じ、それだけに固執するのほ良くはありません。
高校受験のメリットも理解した上で、改めて中学受験(受検)を考えるべきです。

この本を読んで、私の娘にとっても中学受験が必ずしもベストとは限らないという考えになりました!
という訳で、この本で得た知識を中学受験を検討されている方にシェアしたいと思います。
それではいきましょう!
書籍:「『中学受験』をするか迷ったら最初に知って欲しいこと」ってどんな本?
著者:東京高校受験主義(東田高志)さんのプロフィール
この書籍の著者は、Xでは東京高校受験主義というアカウントで受験に関して発信されている東田高志さんという方です。
簡単なプロフィールは以下の通りです。
- 東京の高校受験塾講師
- Xフォロワー5.3万人の教育系インフルエンサー(R7,5月現在)
- 首都圏の受験情報を毎日発信
- レッドオーシャンの中学受験ではなく「戦略的高校受験」を提唱
高校受験の専門家である東田さんは、中学受験で上手くいかなかったお子さんをたくさん見てこられました。
その経験から中学受験のデメリットを大変よく理解されています。
また、専門である高校受験の優れた点も熟知されています。
そんな東田さんが提唱されているのが「戦略的高校受験」というものです。
中学受験の適性がある子とは?
戦略的高校受験を解説する前に、中学受験に適性がある子について東田さんはこう述べています。
- 知的好奇心が強く、心の早い「早熟タイプ」
- 受験という強いプレッシャーの中で耐えられる「競争適性」がある子
この「早熟タイプ」と「競争適性」がキーワードですね。
つまり、努力よりも脳の成長の早さが中学受験に求められるという訳です。
言い換えれば、あとから伸びてくる可能性がある「晩成型」の子は中学受験を避けるべきとの考えです。
中学受験のデメリット
東田さんは中学受験のデメリットを複数述べていました。
- 自己肯定感の喪失
- 経済的負担
- 親の受験サポートが大変
- 親子関係が悪くなる
- 趣味や習い事の時間を失う
- 受身の学習から抜け出せない
これだけのデメリットがある中、中学受験への適性が無い子に無理やり挑戦させることは確かにリスクがあります。
では適性が無い子はどうすれば良いのか?
それに対しての答えが「戦略的高校受験」という方法です。
戦略的高校受験とは?
それではここから東田さんが提唱する「戦略的高校受験」の概要を詳しく説明しておきます。
高校受験は競争適性の低い子にもチャンスがある
東田さんは高校受験は競争適性の低い子にも選択肢となるシステムだと述べています。
つまり地元の公立中学校から高校受験へのルートです。
言い換えれば、高校受験は早熟型ではない子にもチャンスがある「努力の受験」と言えます。
ただし、注意点としては戦略的に高校受験を望むことが必要となります。
戦略的高校受験の核心
戦略的高校受験のコアとなる考えは
子どもの興味や興味を追求 + 将来の受験を見据えた学び
とされています。
どういうことか?
これは中学受験組が受験対策を必死に取り組んでいる時期に、自分の興味関心のある事をたくさん体験すること。
そしてまた、その時期から高校受験に向けての準備を始めるという事です。
これによって中学受験に向いていない子でも、十分準備をした上で自分の進みたい道に進める可能性があります。

晩成型タイプの子は戦略型高校受験の方が可能性があるということか!
戦略的高校受験の三本柱
もう少し「戦略的高校受験」を掘り下げてみましょう。
戦略的高校受験の三本柱は以下の通りです。
- 熱中する習い事や活動を行う
- 英語学習をすすめる
- 自立学習の習慣化
この3つを意識することで、公立中学校から高校受験で成功する可能性が上がるということです。
そして、短期的な受験だけではなく、将来的に必要となる力も身につけることができるのです。
言い換えると自身の個性を伸ばす事と自ら学び目標を達成する力を培うということです。
⓵熱中する習い事や活動を行う
小学生、特に高学年は様々な体験活動のゴールデンエージと言われています。
この時期に自分の興味関心を伸ばすことは後の人生の軸となり、その子の特性となります。
中学受験を挑戦する子たちは5年生を境に習い事を断念することも少なくありません。
しかし、小学6年生で得られる体験活動は数年分に匹敵するという指摘があるそうです。
つまり高校受験を選択することで、この恩恵を最大限に得られるのです。

習い事や様々な体験で、個性を伸ばすというのは確かに大切!
②英語学習をすすめる
英語力は中学受験ではほとんど求められません。
つまり中学受験と英語学習は相性が悪いのです。
しかし、高校受験ではその関係が逆転します。
英語力によって合否を分けるほど、重要度は増してきます。
だからこそ、英語学習を小学校高学年からしっかりと行うことで、高校受験で大きなアドバンテージを得られるという訳です。
教育に熱心なご家庭では、幼いころから英会話レッスンなどを受けさせているケースも多いでしょう。
しかし、中学受験を選択すると他の学習に追われるあまり、英語学習を中断せざるを得ない状況になります。
東出さんは、最初から高校受験を目指すのであれば、英語学習は小学生から力を注ぐべきという主張です。

中学受験を行わない代わりに英語の基礎を固めるのはアリかも!
③自立学習の習慣化
中学受験では、小学生の指導要領以上の内容を求められ、そして膨大な量の学習を行う必要があります。
正直キャパオーバーになっている子も多いでしょう。
また通塾により、受動的な学びになりがちです。
つまり与えられた課題をこなす事はできたとしても、自分で考え解決法を導くという力が弱くなってしまうということになります。
自立学習の習慣化とは、量をこなす受身の学習ではなく、自ら進んで行う能動的な学習習慣をつけることを目標とします。
自立学習の3ステップ
自立学習について、もう少し掘り下げて見ましょう。
自立学習は以下の3ステップで身につけていくことになります。
3ステップ | 内容 | 目標 |
⓵継続力 | 親にやりなさいと言われることなく、毎日学習ができる力 | 小学生で身につけたい最低レベル |
②問題解決力 | できない事に直面したときに自分で解決する力 | 小学生の間にできれば非常に優秀 |
③計画設計力 | 目標に対して逆算して学習計画を自分で考える力 | 中学生から本格的に身につける |
継続力は自主的に毎日学習ができるようになるかどうかです。
このレベルは最低限小学生の頃に身につけるべきだと東田さんは述べています。
次に問題解決力とは能動的に学ぶ力をつけることです。
たとえば答えや考え方を自分で調べたり、自ら思考を巡らせて考えをまとめる力などが当たります。
この段階まで小学生の間に身につける事ができれば、高校受験に対してかなり有利になるとのこと。
そして、最後の計画設計力が最も難しいのですが、例えば定期テストなどの目標に対して自ら逆算して計画を立てる力などが当てはまります。
中学生の頃から本格的に身につけていくのですが、小学生の頃から少し練習をさせる事も重要なようですね。
特に小学生の間は失敗もOKだと考えて計画させることが大切です。
このように段階を踏んで自立学習ができるようになると、生涯にわたって学ぶことができる大きな力となります。

中学受験をするしないに関係なく、是非とも自立学習を小学生の間に身につけて欲しいですね!
まとめ
今回は東京高校受験主義(東田高志)さんの書籍、「中学受験」をするか迷ったら最初に知って欲しいことについてまとめてみました。
この本を読むと、中学受験が絶対ではなく、高校受験のメリットも数多くあるということが理解できます。
小学生の頃から高校受験を目指して学習習慣や基礎力を身につけることが後々活きてくるということですね。
今回は紹介できなかったですが、書籍ではより具体的に戦略的高校受験の実践法や高校受験に必要な情報が書かれています。
興味のある方はぜひともチェックしてみて下さいね!

小学生の英語学習戦術や数学先取り戦術、高校受験の具体的学習ルート、内申点の考え方や都立高校のリアルなど盛りだくさんの内容です!
ただ、東田さんが指摘されている中学受験とは主に私立受験のことです。
高校受験をメインに考えながら「公立中高一貫校受検」も挑戦することに関して肯定的な意見を持たれています。
この内容が私にも大きなヒントを与えてくれました。
次回の受検日記では東田さんが考える公立中高一貫校受検のメリットや受検対策などについてご紹介していきますね!
それではまた!